沐芳コレクション 作品展


安田 靫彦 「沐猴」
明治から昭和初期にかけて館主を務めた相原沐芳(もくほう)は、現在の新井旅館の礎を築いた人物です。
沐芳は上野の美術学校(現在の東京芸術大学)で学び、日本画家を志しましたが、三代目館主として旅館を継ぎました。
しかし、芸術方面への情熱は断ちがたく、各種の画家の後援会員や再興日本美術院の賛助員に加わるなど、美術界と積極的な関わりを持ち続けます。
彼が館主を務めたことで新井旅館は芸術家たちの集う場となり、安田靫彦や横山大観といった日本画の巨匠たちとの縁が生まれました。
沐芳の元へは当館に憩いを求めた画家たちの作品が残されるようになり、今日の「沐芳コレクション」を築くまでになりました。

今回はその中から、様々な動物の姿を写した作品を選んで展示致します。
画家たちの鋭い観察力と巧みな筆致によって命を吹き込まれてからおよそ100年、今でも新井旅館に住まう動物たちの愛らしい姿をお楽しみ下さい。
 会期:平成25年6月10日(月)〜8月25日(日)
 会場:伊豆修善寺温泉 新井旅館 書画展示場
 対象:新井旅館ご宿泊・昼食ご利用の方・
     文化財ガイドツアーご参加の方だけの特別観覧となります
安田靫彦作「沐猴(もっこう)」は9年振りの公開となります。
大正9(1920)年、申年の元旦に贈られた猿の絵であり、沐芳の肖像画も兼ねた面白い作品です。
経年劣化が激しく、近年は展示を控えておりましたが、ようやく修復が完成しました。
修復費用の一部として、文化財ガイドツアー参加費や、皆様から寄せられた温かいご寄付を使わせて頂きました。
この場を借りてお礼申し上げます。
今後も傷んだ書画の修復を順次進め、甦った作品をお客様に公開していく予定です。



荒木 十畝 「せきれい」(部分)
現在展示中の作品
・安田 靫彦 「沐猴」(猿)
・安田 靫彦 「巣父」(牛)
・横山 大観 「うずら」
・菱田 春草 「黒猫」
・石井 林響 「鳥・牛・兎」
・荒木 十畝 「せきれい」
・篠田 高鳳 「猛虎」
・南圃     「白鷺と蝸牛」 
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